『テセウスの船』は2020年1月より放送が開始された、ミステリードラマです。
今回は、テセウスの船の実話やモデルが実在するか?この物語と似ている部分があると感じられる作品や実際に起こった事件について紹介します。
この物語は、作者の東元俊哉さんが北海道出身と云う事も物語の構成に少なからず影響していると考えられますので、その辺りも見てみましょう。
目次
『テセウスの船』は完全オリジナル?音臼村のモデルは実在する?
タイムスリップが物語のバックボーンになっている『テセウスの船』には元にした実話は無いようです。
主なロケーションとなっている『音臼村』も実在していませんが、札幌市の西にある定山渓ダムの辺りではないかと云う説が多く聞かれます。
定山渓ダムが完成した1989年が、『音臼小学校無差別殺人事件』が起きた年と同じであること。
定山渓ダムは心霊スポットとしても知られていること。
ダムにより『さっぽろ湖』と云うダム湖が出来たことが、物語の最終巻での描写に似ていることなどが、その理由となっています。
そして、何より作者の東元俊哉さんが札幌出身だということが、『定山渓ダム』説を有力にしています。
<お稲荷様とタイムスリップ>
定山渓ダムの北西に『天狗山』と云う山があり、天狗伝説が今でも語り継がれています。
物語の中で、音臼村では『お稲荷様』の祭りがあることになっており、タイムスリップも起きているとの設定になっています。
『天狗』を『お稲荷様』に置き換えて、天狗伝説の中にある『神隠し』を『タイムスリップ』に置き換えたのではと云う説にも頷けるものがあります。
<タイムスリップのモデルは?>
タイムスリップを題材にした物語は『ターミネーター』など数多くあり、枚挙にいとまがありません。
未来からタイムスリップした人が、過去を変えることで未来も変わってしまう。
過去に生まれなければ、その人の未来はない。
タイムスリップ系の物語は、どれも似通っているように感じるのは避けられない事のように思われます。
その中で、敢えて広瀬正さんが描いた『Once Upon A Time Machine』を参考にしていると唱える人たちもいるようです。
<音臼村で起こった事件のモデルは?>
音臼村で起きた事件は、実際に起きた幾つかの事件を参考にしていると言われています。
[パラコート連続毒殺事件]
1985年に起きた除草剤のパラコートを使った広域連続殺人事件です。
自動販売機の置き忘れの商品と勘違いさせて、毒入りジュースを飲ませると云う無差別事件でした。
13人もの被害者があったにも関わらず、犯人は捕まらず迷宮入りしている事件で、動機など一切が不明のままとなっています。
『テセウスの船』の中で、三島千夏の殺害手段として記述されていて、犯人の木村みきおが自供するまでは、迷宮入りの可能性が高ったことなどが似ていると考えられています。
[和歌山毒物カレー事件]
1998年に和歌山市園部で起きた無差別大量殺人事件です。
地域で催された夏祭りで、会場で振舞われたカレーに毒物が混入され、67人が体調不良を訴えて病院に搬送され、4人が死亡しました。
別名、『和歌山カレー事件』とも呼ばれています。
毒物は、当初は青酸中毒とされていましたが、最終的には亜ヒ酸とされています。
犯人の林真須美は、保険金詐欺及び殺人未遂で逮捕されていました。
捜査の過程で、自宅からヒ素が発見されたこと及びカレー事件の当日に当人がカレー番をした際の怪しい行動などが逮捕の決め手となりました。
しかし、『和歌山毒物カレー事件』に関しては、黙秘したまま最高裁で死刑が確定していて、現在は大阪拘置所に収監されています。
最高裁の判決は、「鑑定結果や状況証拠から、被告が犯人であることは証明された」と云うものですが、「動機無し」・「自白無し」・「物証無し」というのが、『テセウスの船』での佐野文吾とよく似た状況となっているのです。
<まとめ>
現時点では、『テセウスの船』のオリジナリティについては、モデルと言える物語は無い、オリジナル作品と言えそうです。
原作は、講談社の漫画雑誌『モーニング』で2017年9月より連載され、人気をはくしたので、テレビドラマの展開も期待したいですね。
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