おしん あらすじネタバレ 37話の内容
です。
再放送BSで2019年5月13日放送内容です。
おしんキャスト演者】田中裕子,小林千登勢,乙羽信子,東てる美,石田太郎,長岡輝子,大橋吾郎
朝ドラおしん37話あらすじ簡単まとめ
加賀屋に奉公に来て早7年、立派な女中頭に成長し16歳になったおしんに縁談が持ち上がります。加代は「好きでもない男との結婚は間違いだ」と、おしんの縁談に猛反対します。また、加代は酒田の女学校をやめ東京で絵描きになりたいと、みのに告げます。
おしん37話のネタバレあらすじ詳細
日本海の砂浜にいる圭とおしん。圭は「伊勢の海とは色が違うね」と言う。
おしんは16歳まで加賀屋にいたそうだ。
おしん「お加代さんもこの海が好きでね。よく写生に来ていらした」
圭「絵描きになったの? お加代様って」
おしん「……圭は何になりたいんだい?」
圭「たのくらスーパーのご厄介にはなるつもりはないけど、仁(ひとし)おじさんみたいにバリバリ自分で事業やるっていうのも悪くはないし」
おしん「お前は少しも希望(のぞみ)に似てないねぇ」
圭「そういえば親父の跡を継ごうと思ったことはないな。焼き物なんて全然興味ないし、親父が苦労するのを見てきたからかな。それとも俺に芸術的才能がないからかなぁ、ハハッ。俺ほんとに親父の子なのかな?親父は一応焼き物で食えるほどの天分に恵まれてるっていうのにさ」
おしん「バカなこと言うんじゃないよ。正真正銘お父さんの子だよ!」
圭「じゃあ誰の血を引いてるのかな? おばあちゃんの本当の孫だっていうんなら分かるんだけどな。おばあちゃん天才的な女事業家だからさ」
おしん「おばあちゃんだって何も、好きで商売をしてきたわけでもスーパーを始めたわけでもないんだよ。ただ子供の頃から、お金がないみじめさを嫌ってほど味わってきたからね。必死で生きてきただけだよ。好き嫌いなんて言っちゃいられなかった。自分で自分の生き方を選ぶだなんて、そんな贅沢なことできなかったんだよ」
圭「自分で自分の生き方を選べるって、贅沢なことかな?」
おしん「ぜいたくだよ。お前なんて好きな学校へ入って好きな仕事を選べるんだから幸せだよ」
圭「そうかなぁ。俺なんてまだ迷っててさあ、未だに自分が一番何になりたいのか、本当は何をしたいんだかさっぱり分かんないんだから」
おしん「おばあちゃんだって自分で選べたら、もっと他の道を歩いてたかも知れないよ。でもうちへ仕送りをしなきゃならないから加賀屋は辞められないし、加賀屋にいてもっと商売のことを勉強したいと思ったし。まあ何てったってお金もうけするには商人が一番だと信じてたから」
圭「女だてらに?」
おしん「ばんちゃんが死んだ時に、もう貧乏は嫌だと骨身にしみたもん。だからこそ16まで加賀屋で頑張っていられたんだよ。加賀屋の大奥様には随分色んなことを教えてもらった。あんなことがなかったら、加賀屋から商人に嫁に行ってもっと楽な人生送れてたかもしれないね。まあそれもみんな、それぞれ持って生まれた運命だったかもしれないね」
加賀屋にて。
みのが台所でおしんを呼ぶ。
たま「お店でねえですか? さっき大奥様がお呼びでしたさげ」
みの「また店だか……。店にはちゃんと番頭もいるっていうのに、何かっていうとおっ母様は『おしん、おしん』だからのう。おしんは奥のこと取り仕切るんだけでも手一杯だのに」
さく「大奥様ば、ご自分でおしんさんを仕込まれましただで、やっぱり誰よりも信用しておりなさるんでがんしょ」
みの「おしんもたまらねえだな。店のことまで引っ張り出されたんではのう」
さく「台所のことだば、ちゃんとおしんさんから聞いてますだで」
みの「お客様が見えるっていうのに、おしんは着替えねえでもいいんだかのう?」
あれはおしんが9つの春。働きどおしで腹いっぱい食べることさえできないまま死んでいったばんちゃんの野辺の送りを済ませて、また加賀屋へ戻った。
それがいつしか16歳の春。 大正3年に第一次世界大戦が始まり、日本も大戦の好景気に沸いていた大正5年、西暦1916年のことであった。
店で算盤と大福帳を使って仕事をしているおしん。 みのが、くにを呼びに店へ。
みの「おっ母様、桜木さんがお見えになりましただ」
くに「んだば今行く」
おしん「私もうそろそろ、晩餉の支度さ関わらねえどなりましねえさげ」
くに「んだばご苦労だった」
おしんは台所へ戻り、夕飯の支度をしかけているさくとたまに指示をする。 そこへみのがおしんを呼びに来る。くにがお客さんにお茶をたてるよう呼んでいると言う。
晩餉の支度を任せるように言うみのに、「とんでもありましねえ」とおしん。
「もう手のかかる子供がいるわけじゃなし、私も台所のことぐれえしねえだばの。早く行がねどまた雷落ちる」と、みのに急かされ台所を出ようとするおしん。
そのとき、何かを思い出したかのように「加代見かけなかったか?」とみのが訊き、分からず返事に困るおしん。
みの「また図画でも描き行ったんだがのう……しょうがねえだな」
おしんは、客の前でお点前中である。 来客は桜木という名の年配の夫妻で、「まんず大したもんでがんすのう」と褒められるおしん。
桜木「大奥様は、おしんさんをまるで娘みてえにかわいがっておられるということだども」
くに「ああ、ちっちゃいときから賢いおなんこで、見所もあるさけ私も目をかけていろいろと。まあ字はもとより算盤も達者で、店のことなどは番頭よりよっぽどしっかりして商売のコツも覚えてくれるだろうと今から楽しみにしてます。奥の方もみんなおしんに任せきりで。料理の腕はええし、仕立物なんぞは木綿の袷(あわせ)だば2晩もあれば仕上げてしまいます」
くにの話を頷き聞きながら、おしんのすべてを見ようとしているかのようにじっと見つめる桜木夫妻。
お点前の後、台所に戻るおしん。
みの「おっ母様から話は聞いたんだか? おしんにはいつまでも加賀屋さいてもらって、加代のいい相談相手になってやってもらいてえんだども……おっ母様は何を考えておられるんだか」
おしんには何のことか見当がつかない。
そこに加代が帰宅し、みのは加代を追う。
「加代! 加代!」 性急に近づこうとするみのを無視し、加代は自室へ。
みの「こげん日の暮れるまでウロウロして! 春休みなどとっくに終わったっつうのに、いづ学校さ戻るつもりなんだ?」
加代「もう山形さは行がねえ。女学校は辞めるつもりだ」
みの「またそげなことを! お前は加賀屋の跡継がねばなんねえ娘だぞ。女学校くらい出とかねえでどげんする。婿さもええとこからは来手がねえだかんな」
加代「加賀屋は小夜が継げばええんだ」
みの「馬鹿こくでねえんだ! 家は長女が継ぐものと決まっとるんだぞ」
加代「そげな法律どこさあんだ? そげなもんただの習わしってもんでねえだか。加賀屋の血引いた人間だば、私だろうが小夜だろうが同じでねえが」
みの「加代!」
加代「私、絵描きになるんだ。今に東京さ行って偉え先生さ付いて」
みの「そげなこと本気でできると思ってなんだか?」
加代「人はみな自由だじぇ。家や親に縛られておったんでは、私の人生ってもんはどこさあるんだ?」
みの「加代、お前いつからそんな生意気なこと言うようになったんだ? 妙なものさかぶれてしまって情けねえ! 図画みてえなもの描いて何になるんだ! 少しはおしんを見習ったらどうだ? おしんはここさいる間にちゃんと花嫁修業もしたんだぞ」
加代「おしんはおしん、私は私だ」
みの「加代! もう……」
そこへ襖から顔を出す小夜。
「いい加減にしてくれ! うるさくて勉強できねえでば!」
みのは部屋から出ていく。
小夜「姉ちゃ。おしんは嫁行くだぞ」
大きく目を見開き振り向く加代。
小夜「婿さんのお父様とお母様がおしんの品定めに来とるんだよ」
小夜に手招きされ、急いで加代は部屋の外へ。 加代と小夜は、桜木夫妻とくにのいる部屋を覗き見する。
加代「何だありゃ! 成り上がり者でねえだか。どうせ米の相場か何かでもうけた、今はやりのにわか成金だじぇ」
小夜「姉ちゃ!」 小夜が加代の口を塞ぐ。
奥の夕食時、おしんの嫁入りの話で盛り上がっている。 時々店に来る客がおしんをたいそう気に入ったとのこと。相手は次男坊だが、桜木は寒風山の米相場でたいした身上(財産)を作った家。1軒くらいは家を持たせてくれるにちがいない、そうなればおしんは一国一城の主、玉の輿だなどと言っている。
加代「お前、そげな男んとこさ嫁行くんだか?」
おしん「私、今話聞いたばっかしだもんで……」
加代「なんぼ金あったって、顔も知らねえ男んとこさ嫁行くだなんて、そげな馬鹿なこと」
みの「加代!」
加代「結婚っていうんだはな、お互いに愛情があって初めて成り立つもんだぞ。周りにお膳立てしてもらってするようなことでねえじぇ」
みの「周りが見つけてやらねえで、どうやって嫁さ行くっていうんだ? 周りの大人が『これだば確かだ』って人を探して会わすのが、一番いい結婚のできる道ではねえんだか?」
清太郎「んだ」
くに「オレだっておしんをよそさやるんだばつれえども、桜木さんだば酒田さ所帯持てるだし、近くにいられるんだし」
加代「そげなおばあちゃんの都合で押し付けたんだば、おしんがめじょげね」
みの「おばあちゃんはおしんのためを思って……」
おしん「お加代様」
加代「おしん。私に反対する権利はねえだども、自分を大事にすることだの」
突然の出来事でおしんは何も考えられなかったが、初めての縁談に自分もとうとうここまで来たのかとしみじみ感じ入り、これまでの16年間が走馬灯のように思い出された。
おしん37話の感想
おしんと加代 対照的なふたり。 食べるものにも不自由極まりなく、貧しさを知っているからこそ商いや料理・裁縫などを身に着け、堅実な生活をしたいと願うおしん。 幼少の頃から何不自由なく育ち、それが当たり前だった加代。家や店に縛られることを嫌い、自由を求める加代。 成長したふたりはこれからどうなっていくのでしょうか。
スポンサード