2019年のNHK大河ドラマは『いだてん』です。
“いだてん(韋駄天)”は仏法の守護神で仏舎利を盗んだものを追いかけて取り返したほど走るのが早い神とされます。
この事から足の速い人のたとえとして用いられる様になっています。
今回はいだてん第11話のあらすじを紹介します。
いだてん11話のあらすじ
開会式のプラカードに国名をどう表わすかと云う問題はなかなか解決しません。
頑固な肥後もっこすの四三は『日本』でなければプラカードを持つ開会式にでないと断固として譲りません。
すると、最初は『JAPAN』を推していた弥彦も戦友の四三と国の名前が違っては戦えないと賛同し始めます。
そんなやり取りを聞いていた治五郎は、自分の到着が遅れたことでバラバラになったのかと思ったのは誤りで、互いに認め合っているから意見がぶつけ合えるのだと言います。
そして、筆をとった治五郎は、プラカードに表記する国名を書き記します。
7月6日、風ひとつない快晴のもとで開会式は行われます。
スタジアム横の広場には、二十八か国、三千人の代表が集まっています。
イギリス、ロシア、アメリカの百人を超える選手団に対し日本は四三と弥彦に治五郎と大森を加えても四人にしかならなかったのでベルリン留学生の田島やガイドのダニエルも行進に加わります。
安仁子は写真撮影のために観客席から観覧することになります。
スタンドを埋める二万人の拍手に迎い入れられ入場行進が始まり、四三はプラカードを、弥彦は国旗をもって行進します。
四三は安仁子の声援に応えてプラカードを揚げました。
開会式のあと、弥彦が出場する百メートルの予選が始まります。
弥彦がロッカールームでレース前の緊張と戦っている頃、三週間前にストックホルムで投函された絵葉書が東京の三島家に届いていた。
シマは、弥太郎と和歌子を前にして、弥彦が戦意喪失して弱気になって書いた文面を読み上げます。
和歌子は、シマの手から絵葉書をひったくります。
「わっはっは、心配せんでよか。『弥彦は勝ちます、薩摩隼人の底力、みせてやります』・・・そう書いてあるでごわす」
そして絵葉書を懐にしまいます。
「字など読めなくても息子の本心は分かります‼ 弥彦は必ず勝つ‼」
大森から短距離はタイムを競う競技だからライバルは他の選手ではなくタイムだとアドバイスされた弥彦はスタートラインに並びます。
レースの結果はトップと10メートル差の最下位でしたが、レース後にロッカールームに行った四三と治五郎と安仁子に向かって弥彦は笑顔で言います。
「自分の最高記録を出したんだから、成功だと思っています」
四三は一万メートルを棄権してマラソン一本に絞る事を決めます。
三島弥彦の惨敗
四日後に二百メートル予選が行われたが、結果はまたしても惨敗となりました。
それが日本の新聞で伝えられていた頃、孝蔵は円喬から7月の下席で初高座が決まったと知らされ慌てるのでした。
「できるよ、君には”何か”あるから」
しかし、円喬からそれ以外の助言がないまま神社の境内でひとり円喬の仕草をまねる事しかできませんでした。
その後、大森の容体は悪化し、四三はひとりで練習に励みます。
スウェーデンの夏は暑かったので、四三はマラソンの本番を前に練習の時間と距離を減らす事にします。
時間に余裕ができた四三は故郷のことが頭に浮かびます。
木陰で休んでいるとスヤの歌が聞こえた様な気がすることもありました。
四百メートル予選の前日に四三は弥彦に日本人には短距離が無理だという言葉の真意を尋ねます。
日本で無敵でも世界では圧倒的敗北となる力の差が短距離の現実だと弥彦は言います。
でも、まだ走れることが嬉しいとも笑顔でいいます。
四三は弥彦にモヤモヤしているものが居座っていると自分の胸の内を明かします。
それを西洋人はプレッシャーと呼んでいて他の選手も感じていることを弥彦から教えてもらった四三は、正体さえわかればもう怖くないと笑顔になるのでした。
四百メートル予選は大森に代わって四三がコーチ役を任されます。
弥彦力振り絞り棄権
四三は、レース前に弥彦からカメラを渡され走る姿を正面から撮影して欲しいと頼まれ、ゴール付近で待ち構えます。
上位2名が準決勝に進める予選レースは5人中3人が棄権したので完走さえすれば予選通過となる状況になっていました。
弥彦は最初こそ大きくリードしたものの途中で追い抜かれてしまします。
それでも最後まで全力で駆け抜ける弥彦の姿に見入り、四三はシャッターを切るのを忘れてしまうのでした。
弥彦の記録は羽田での記録を3秒以上も縮めた好記録でした。
準決勝に進んだ弥彦を褒めたたえ喜ぶ治五郎に向かって、弥彦は荒い息で棄権を申し出ます。
「充分・・・走りました、察してください」
治五郎は弥彦の決断を受け入れます。
マラソン当日の朝、四三が運河の水で冷水浴をしていると、弥彦がやってきて一緒に水を被り始めます。
「三島さん、四百メートル、見事な走りでした。俺も三島さんのように、笑ってゴールします」
四三の固い決意でした。
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