2019年のNHK大河ドラマは『いだてん』です。
“いだてん(韋駄天)”は仏法の守護神で仏舎利を盗んだものを追いかけて取り返したほど走るのが早い神とされます。
この事から足の速い人のたとえとして用いられる様になっています。
今回は第１９話のあらすじを紹介します。
＜韋駄天あらすじ19話＞
日光から東京への道を走り終えた四三は、もう日本には走る道がなくなってしまったととして、アメリカ横断を思いつきます。
総距離四千キロメートルのコースを駅伝方式で走ろうと、下宿に集まっていた野口と美川に構想を語ります。
「予選会を開いてはどうでしょう」
ゴム底の足袋を買いにきたと云う青年が辛作に案内されてやってきました。
彼は沢田英一といい札幌から東京までを22日間で走った明治大学の選手でした。
予選会を開くことにした四三は、コースをどこにするかを考え始めたとき、ふと目を移した窓の外に富士山の姿をみつけます。
以前から辛作はその山を箱根だと譲らないのだが明らかに富士山なのでした。
四三は、予算的に現実的ではない富士山ではなくて、実現できる可能性が高い箱根でやろうと提案します。
その後、四三は野口とともに”箱根駅伝”の草案をまとめ、協賛を申し出てくれた報知新聞の予算的な後ろ盾をもらって、体協本部の理事たちに説明をでむきます。
そこで、四三は治五郎から翌年8月にベルギーのアントワープでオリンピックが開催される事を聞かされ、オリンピックの予選会もかねてのレースとして、駅伝の運営をやってみる事を勧められます。
そして、四三はスヤにむけて、正月返上で頑張るので駅伝が終わるまで熊本には帰れないと手紙をかくのでした。
ところが、その手紙を読んでいるところにふいに四三が姿をあらしたのでスヤは驚きます。
四三の帰省は、オリンピックの渡航費の工面を考えてのものでした。
そこで四三は、初めて会う自分の息子の正明をスヤの背中に見つけるのでした。
池部家の年始の祝いが催されます。
四三は、上座から新新年の挨拶とオリンピック開催が決まった事を話しますが、スヤと実次以外の反応は薄いものでした。
宴が盛り上げってくると、実次が他人行儀な言葉遣いで酒をすすめてきます。
それを聞いていた幾江は、玉名一の庄屋の若旦那なんだからそれで良いと言い、スヤにも聞こえるように四三にいつ戻ってくるのかと尋ねます。
「オリンピックば立派にやり遂げたら帰ってきます」
答えたのは、四三ではなく実次でした。
この頃、オリンピックの種目からマラソンが外された事が分かり、体協で緊急理事会が開かれていました。
ベルギーの市街地は激戦地であったので戦争の爪痕が生々しく残っていて、その沿道を観衆が埋め尽くしマラソンのランナーが走ることは考えられないと、トクヨは写真を見せながら憤る治五郎に言います。
その夜、四三はスヤに苦労ばかりかけてきた事を謝り、今度のオリンピックで勝ったら引退して、スヤと幾江と正明と一緒に暮らすと約束します。
東京に戻った四三は、治五郎に箱根駅伝の練習中に好記録が次々にでており、オリンピックのマラソン出場枠を増やしてくれれば上位独占も夢ではないと進言します。
治五郎は、そんな四三にマラソンがなくなったとは言えず、検討すると答えるしかありませんでした。
1920年(大正9年)2月14日、有楽町の報知新聞社前には箱根駅伝の第1走者が集まっていました。
出場は、早稲田、慶応、明治、東京高等師範の4校で、往路5区間復路5区間の全10区間270キロメートルを2日間で走ると云うレースです。
審判長の四三が鳴らした号砲で、4人の選手が走り始めました。
四三は車に乗り込んで伴走し選手たちを応援しますが、そこには治五郎の姿はありませんでした。
この日は、体協本部で理事たちによるオリンピックに向けての会議が開催されていたのです。
岸に、駅伝を見に行けば良いと勧められた治五郎でしたが、マラソンがないのに合わせる顔がないと断るのでした。
往路レースの終了時点で、首位は明治、2位は東京高等師範、3位は早稲田、4位は慶応でした。
一夜明けると、そこは積雪6センチで気温マイナス4℃の銀世界でした。
中止も危ぶまれる中で、なんと青年団や地元の学生、湯治客まで総出で雪かきをしてくれたのです。
体協の理事たちは、この日も本部で駅伝のレース経過を聞いていましたが、結局は我慢できずにゴール地点に駆け付けたのでした。
東京高等師範のアンカー茂木は新橋で先頭を走る明治の西岡をとらえ、激しいデッドヒートが繰り広げられました。
そして、観衆が待つゴール地点に最初に姿を現したのは茂木で、渾身のラストスパートでゴールに飛び込みます。
続いて、明治の西岡が足を引きずり泣きながらゴールしました。
その姿をみた岸は治五郎にいいます。
「マラソン、やるべきでしょう･･･こんな感動的なレースなら絶対にやるべきです」
そして治五郎はつぶやきます。
「心配するな金栗‼私が必ず、君をアントワープに行かせてやるからな‼」
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