目次
大河ドラマ『豊臣兄弟!』第十一回
放送日:2026年3月22日 タイトル:「本圀寺(ほんこくじ)の変」
1. 稀代の悪党、松永久秀(まつながひさひで)の帰順
「三好三人衆」を退けた**芥川城(あくたがわじょう)**に、畿内一の曲者(くせもの)として知られる松永久秀(まつながひさひで)が現れます。かつて将軍を殺害したという悪名を逆手に取り、彼は織田信長に対し「将軍殺しは濡れ衣である」と訴え、忠誠の証として名器「九十九髪茄子(つくもなす)」を献上。大和国の支配権を認めさせます。
信長は京の本圀寺(ほんこくじ)に滞在する足利義昭にこれを報告。三淵藤英や和田惟政(わだこれまさ)ら義昭の側近たちは猛反発しますが、信長は「久秀の悪評は三好が流した戯言(ざれごと)」と一蹴。将軍・義昭も「兄の仇(かたき)への思い入れはない」と、信長に判断を委ねるのでした。
2. 自由都市・堺への介入
信長は次に、莫大な銭と鉄砲が集まる自治都市・堺(さかい)の掌握に乗り出します。 小一郎、藤吉郎、竹中半兵衛の三人は堺へ向かい、有力商人の今井宗久(いまいそうきゅう)や津田宗及(つだそうぎゅう)と会談します。
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信長の要求: 軍用金として矢金(やがね)2万貫を差し出せ。
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堺の反応: 津田宗及(つだそうぎゅう)は「払えぬ」と拒否。
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藤吉郎の脅し: 「断るなら、幕府を敵に回すとみなしますぞ」と笑顔で圧力をかける。
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小一郎の提案: 2万貫を受け取る代わりに、それで堺から鉄砲を買い上げるという「商い」の形を提案。
しかし、この交渉の裏で、堺の商人たちが三好三人衆や亡命中の斎藤龍興と通じ、鉄砲を横流ししているという不穏な事実が発覚します。
3. 本圀寺(ほんこくじ)の変と、燃える鏡
1569年(永禄12年)1月。信長が岐阜へ戻った隙を突き、三好三人衆が足利義昭の宿所・本圀寺(ほんこくじ)を襲撃します。明智光秀が寡兵で防戦に努める中、寺の僧侶が「三好が崇めるこの寺を焼けば祟りがある」と知略を巡らせ、一時的に攻撃を止めることに成功します。
同じ頃、北近江の**小谷城(おだにじょう)**では、信長との連携を嫌う浅井久政(あざいひさまさ)が、信長から市(いち)へ贈られた鏡を焚き火にくべさせていました。 夫・浅井長政は炎の中から素手でその鏡を掴み取り、市(いち)に優しく語りかけます。 「そなたは浅井と織田の架け橋。どちらも大切にして良いのだ」 市(いち)はその深い愛に触れ、涙ながらに長政を抱きしめるのでした。
4. 救出と、将軍の「眼差し」
雪の降る中、岐阜から駆けつけた織田軍が到着し、三好軍は撤退。間一髪で窮地を脱した小一郎と藤吉郎は、無事を喜び合います。 その光景を静かに見つめていた将軍・足利義昭は、傍らにいた明智光秀にこう漏らしました。 「あの二人(豊臣兄弟)、わしのものにできるか?」 将軍の胸の内に、織田とは別の「欲」が芽生えた瞬間でした。
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【第十一回あらすじ解説】
今回の見どころは、「外交」と「経済」の駆け引き、そして**「家族の情愛」**の三本柱です。
1. 松永久秀(まつながひさひで)の存在感
竹中直人さん演じる松永久秀(まつながひさひで)が登場し、物語に独特の毒気が加わりました。名器一つで信長を動かす政治力は、後の小一郎たちが学ぶべき「価値の動かし方」でもあります。
2. 小一郎の「三方よし」な金銭感覚
堺への要求に対し、ただ奪うのではなく「鉄砲の買い上げ」という形を提案した小一郎。これは後の大和郡山(やまとこおりやま)統治でも発揮される彼の「経済で世を治める」という思想の片鱗です。蓄財家としての彼が、無駄な争いを避けるために知恵を絞る姿が印象的です。
3. 浅井長政の優しさと、久政の闇
**小谷城(おだにじょう)**のシーンでは、父・久政との確執が鮮明になりました。長政が火中から鏡を拾い上げるシーンは、お市(おいち)への愛を象徴すると同時に、将来的に「織田か、浅井の伝統か」という過酷な二択を迫られる悲劇への序曲となっています。
4. 将軍・義昭の野心
ラストシーンでの義昭の一言は、今後の「信長対義昭」という対立構造、そして豊臣兄弟がその板挟みになっていく展開を予感させます。光秀に兄弟の引き抜きを打診するあたり、義昭もただの傀儡(かいらい)ではない、老獪(ろうかい)な一面を見せ始めました。
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