NHK連続テレビ小説101作目は、信楽を舞台にした女性陶芸家川原喜美子の半生を描いたドラマ『スカーレット』です。
このドラマ令和元年9月30日(月)から放送開始されました。
今回は番組名となっている『スカーレット』の意味合いと大久保しのぶ役を演じた三林京子さんについて紹介します。
<『スカーレット』の意味は?>
ドラマのタイトルになっている『スカーレット(scarlet)』は”緋色”を表す英語です。
“緋色”は説明するのが難しい色ですが、言葉で表すなら”黄色がかった赤”といったことろです。
信楽地方で採れる良質の土は、鉄分が少ないため焼成すると淡く温かみのある緋色が発色されることより、ドラマの舞台と作陶を題材にしていることよりタイトルとなっています。
このドラマの大きなテーマは”自然釉で緋色を再現する”することとなっているのです。
『スカーレット』の語源を遡ると、古くペルシャの織物の茜染の色に辿り着きます。
ただし、日本の茜染めが植物の根を染料とするのに対して、ヨーロッパはコチニールと云う貝殻虫を使うので大きく違います。
そして、『スカーレット』は聖職者がまとう服の色であると同時に、淫婦や姦通などの罪を象徴する色でもあったのです。
この『罪の象徴の色』という意味合いもドラマとの関連性を持たせているのかも知れません。
一方、緋色も日本で古から高貴な色としての歴史を持っていて、遠く平安時代には”思いの色”とも言われていました。
この”思いの色”もドラマの中での陶芸への想いとか古の自然釉への想いとかにつながっている様に思われます。
<大久保のぶ子の実在モデルは?>
荒木荘自体が『スカーレット』オリジナルの設定であり、大久保のぶ子の実在モデルは分かっていません。
ただ、関西では大久保のぶ子のような筋の通った女中のスペシャリストはたくさんいたと思われます。
<大久保のぶ子の役柄>
大久保のぶ子は、常治の命で喜美子が大阪で働くことになった下宿屋の『荒木荘』を以前より仕切っていた大先輩の女中と云う設定です。
もともとは荒木家で女中として働きながら、結婚して4人の子供を育て上げています。
彼女は厳しい姑に厳しいく躾けられた女中としてのプロフェッショナルです。
喜美子との初対面では主人の荒木さだに絶対に勤まらないと雇うのを猛反対します。
しかし、喜美子が働くことになってからは日々厳しく仕込みながら、陰では喜美子のことを温かく」気遣ってくれる優しさを持っていました。
喜美子が何とか一人前に仕事ができるようになるのを見計らった様に自分は奈良で隠居してしまいます。
しかし、その後も何かと理由をつけては『荒木荘』にやってきては喜美子の仕事ぶりを気にするのでした。
そして、喜美子が常治の命で信楽に戻るときも、わざわざ奈良から出てきて荷造りを手伝ってくれます。
スカーレット ネタバレ 12週13週あらすじ八郎と結婚!子の武志も常治倒れる!愛人不倫はまだ
<大久保役を演じた三林京子さんのプロフィール>
[プロフィール]
生年月日:1951年7月17日
出身地:大阪府大阪市
所属事務所:米朝事務所
[芸能一家]
三林京子さんは、落語家の「桂すずめ」としての顔を持って活躍しています。
父親は文楽人形遣いの人間国宝の桐竹勘十郎さんです。
三林さんは『スカーレット』での大久保のぶ子の役作りに、子供のころに父親に連れられて行った後援会長の家で家族から信頼されていてすべてを任されて仕切っている女中さんの姿が思い浮かんでモデルにした言っています。
そして、弟さんは桐竹勘十郎さん、甥は吉田簑太郎さんという伝統芸能一家です。
[三林京子さんの主な出演作品(テレビ)]
銭形平次(1966年)、元禄太平記(1975年) 、八代将軍吉宗(1995年)、葵 徳川三代(2000年)、花ぼうろ(1976年)、かげろうの家(1976年)、鳴門秘帖 (1977年)、女のいくさ(1977年)、日本巌窟王(1979年、NHK)、服部半蔵 影の軍団(1980年)、あヽ愛しき家族(1991年)、なにわの源蔵事件帳(1981年)、羊のうた(1981年)、大奥(1983年)、新なにわの源蔵事件帳(1983年)、地底の殺意(1983年)、季節はずれのサンタクロース(1985年)、愛してよろしいですか(1984年)、いちばん太鼓(1985年)、ぴあの(1994年)、ふたりっ子(1996年)、オードリー(2000年)、ファイト(2005年) 、だんだん(2008年)、カーネーション(2012年)、樅ノ木は残った(1990年)、女系家族(1991年)、夜会の果て(1997年)、木綿のハンカチ2 (1999年)、最後の忠臣蔵(2004年)
[三林京子さんの主な出演作品(映画)]
アラスカ物語(1977年)、若い人(1977年)、大江戸捜査網(1979年)、じゃりン子チエ(1981年)、あ、春 (1998年)、虹の岬(1999年)、ニワトリはハダシだ(2004年)
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